【コーチング】ゴール設定における“社会性”の重要性と本当の理由 | 社会性と抽象度の一致

あなたのゴールは「誰のためのもの」ですか?

今回のブログでは「ゴールの社会性」について解説します。

・なぜ、ゴールに社会性が必要なの?
・どんな効果があるの?
・社会性ってなに?

最後まで読んでいただければ、そんな疑問が解消できるはずです。

まずは、ゴール設定の3大原則のおさらいから。

原則1:現状の外側
原則2:本心で達成したい
原則3:社会性が高い

今回は3番目の社会性について解説します。


「社会性のあるゴール」とは何か?

まず、社会性が高いゴールというのは、
簡単にいうと「より多くの人にとって利益を共有できるゴール」ということ。

この時の“より多くの人”の中には自分も含まれます。

決して、自分と他人を天秤(てんびん)にかけて、
他人の幸せを優位にしましょうとか、
自分を軽んじるということではありません。

さらに、共有する“利益”とは、
お金のことだけではありません。

豊かさ、便利さ、良好な人間関係、
将来への希望、健康、安心、安全なども大切な利益です。

では、社会性の高さを「豊かさ」で例えると、

1:「私が豊かになればいい」
2:「家族が豊かになればいい」
3:「地域が豊かになればいい」
4:「日本が豊かになればいい」
5:「世界が豊かになればいい」
6:「世界が永遠に豊かになればいい」

1が一番社会性が低く、
数字が高くなるほど社会性も高くなっています。

それでは、「なぜ、社会性を高める必要があるのか」
というの今回のテーマについて解説します。


抽象度とは?コーチングで重要な“視点の高さ”

次に、もう一つ重要な概念「抽象度」を理解しておきましょう。

(話が飛んでますが、最後に社会性の理解と合致するので、ご安心ください)

抽象度とは、物事を見る情報的視点の高さのこと。

視点が高ければ、より多くの情報を俯瞰(ふかん)でき、低ければ少ない情報にフォーカスされます。

例えて言うと、地面を歩くアリの視点と、宇宙ステーションから地球を見る視点では、方向のベクトルは一緒でも集積できる情報量は全く違う、ということ。

もちろん視点が低いからダメとか、高いから良いわけではありません。

必要に応じて上げ下げができればOKです。

ただし、今回は現状の外側のゴール達成に不可欠な視点として、特に抽象度の高い視点の有効性について話しています。

じゃ、視点が高い(抽象度が高い)と何が良いのか?

それは、高い視点によって低い視点に介入が可能になるから。

先ほどのアリの例で言うと、アリは宇宙ステーションの視点は持てないが、宇宙ステーションはアリの視点を包括してる。

だから、宇宙ステーションはアリの視点にも介入できるということ。

これは物理空間の視点の話ですが、私たちコーチは情報空間でも抽象度の概念を扱います。

(ちなみに、この抽象度という言葉「Levels of Abstraction」を最初に日本語訳にしたのが苫米地博士です。それまで、日本には抽象度いう概念が一般化されていなかった)

情報空間の抽象度はどういうことか?

例えば、「猫」という概念を中心にして抽象度の視点を上げ下げをしてみましょう。

まずは、下げてみます。
(下げる方向のベクトルは無限ですので、その一例です)

「猫」→「ペルシャ猫」→「単色のペルシャ猫」
→「私が飼ってる単色のペルシャ猫」の順で抽象度が下がります。

次に、逆に抽象度を上げてみると、「猫」→「哺乳類」→「動物」→「生物」となります。

(ちなみに、抽象度の一番高いところが「空(クウ)」になります)


なぜゴールに社会性が必要なのか?

そして、ここで一番重要なこと。それは…
【高い抽象度からは、低い抽象度に介入できる】

どうですか?難しいですよね。大丈夫です、今はわからなくても。

なんとなくでいいので覚えておいてください。

上記の例の場合、高い抽象度は「生物」、
低い抽象度は「私が飼ってる単色のペルシャ猫」です。

「私が飼ってる単色のペルシャ猫」は、
「生物」の概念に包括されています。

なので、もし「毛のない生物」という
抽象度を持ってきたら、
「私が飼ってる単色のペルシャ猫」は弾き飛ばされてしまいます。

なぜなら、「私が飼ってる単色のペルシャ猫」には毛があるから。

こんな感じで、上の抽象度は下の抽象度をコントロールできます。

でも逆は難しい。

「私が飼ってる単色のペルシャ猫」の色をカラフルにしようが、
鈴木さんに譲渡しようが、相変わらず「生物」に包括されたまま。

と、ここまでわかると、今回のテーマ「ゴールに社会性を持たせる意味」が分かってきます。

それは、社会性の高さは抽象度の高さと一致する、ということ。

1:「私が豊かになればいい」
2:「家族が豊かになればいい」
3:「地域が豊かになればいい」
4:「日本が豊かになればいい」
5:「世界が豊かになればいい」
6:「世界が永遠に豊かになればいい」

記事の最初に「数字は社会性の高さ」と説明しましたが、
同時に抽象度の高さにもなるんです。

そして、先ほど言った重要なこと、
【高い抽象度から低い抽象度に介入できる】

つまり、
・世界を永遠に豊かにしたいという視点が、自分の豊かさにも介入できるということ。
・6番目の「世界が永遠に豊かになればいい」をゴールにすると1〜5番も含まれるということ。
・1番目の「私が豊かになればいい」をゴールにすると達成を難しくするということ。

ゴールに社会性を持たせることは、単に「わがままなゴールではなく社会性があったほうが豊かですよ」というだけではなく、裏側には深い意味があったのです。

さらにいうと、次の3段階の抽象度の理解も重要ですが、またの機会に話しますね。

1:個人的常識と無意識
2:社会的常識と無意識
3:人間的常識と無意識

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