スコトーマについて | 中茎一彦 苫米地式コーチング認定コーチ補

スコトーマとは?

スコトーマとはもともとは眼科医の用語で盲点を意味する単語です。

眼球の構造上、視神経の束の接続部には映像が映らない場所(盲点)があります。
(ご安心ください。脳はイメージ情報を処理して理解するので問題ありません)

コーチング創始者のルー・タイスが心理的にも盲点が存在することを発見し、心理的な盲点もスコトーマという言葉で表現しました。

心理的なスコトーマは、五感(味覚・嗅覚・触覚・聴覚・視覚)を通して脳に入ってくる情報に制限をかけます。

その結果、”見てるのに見えてない” や ”聴こえているのに聴いてない”ということが実際に起こるのです。

例えば、外出する時に「あ、財布忘れた!」と思って家に戻ったけど、実は既に手に持ってた、なんて経験はありませんか?

または、騒がしい人混みの中で隣の会話さえ聞き取りにくいのに、離れたところで自分の名前が呼ばれたら気がついたり。

これらは、重要な情報以外がスコトーマ(盲点)として隠された結果なんです。

「財布を忘れた」と思い込むことによって、手に持っている財布の情報を盲点にしたり、重要な情報である自分の名前を呼ぶ声以外の音を盲点にしたり。

スコトーマは日常のいたる場面で、あなたの世界に影響を与えています。

「なぜ脳はそんな盲点をつくるの?」

それは、人間の生存本能に由来するんです。

では、そもそもなぜスコトーマなんていう盲点が発生するのか?スコトーマがゴールとどんな関係があるのか?これから説明します。


スコトーマとRASの関係

RASとはReticular Activating System(覚えなくてok)の略で、日本語で網様体賦活系(もうようたいふかつけい)と言います。

これは脳の活性化システムで、シンプルに『重要なことに反応する脳のシステム』と理解してください。

なぜそんなシステムが脳に存在するのかというと、生物の進化の過程で、重要な情報とそうでない情報を取捨選択する必要があったからです。

では、脳にとって一番重要な情報とは何か?

それは、”今日まで生き抜いてらこれた記憶”です。

生物にとって今日まで安全に生きてこられた記憶、言い換えると「昨日までの記憶」が重要な情報ということ。

つまり、人間はRASの働きによって昨日までの重要な記憶で目の前の現実世界を見ているわけです。

そして、このRASの働きの結果、重要なこと以外をスコトーマ(盲点)として隠して見えなくしているのです。

厄介なのは、このシステムを変えないまま日々を過ごせば、未来は現状のまま変わらないということ。

大昔であれば「明日も生きること」が最重要でよかったかもしれません。

でも、21世紀の私たちには様々な叶えたいゴールがあります。

RASもスコトーマも現状から動かしたいですよね。

実は、RAS、スコトーマを動かすのは難しいことではなく、私たちも普段から経験しているんです。

例えば、急に冷蔵庫が壊れて買い換える必要がでたら、今まで気が付かなかった冷蔵庫のチラシやセールに気がついたりしませんか?

また、奥さんが妊娠したら町中に妊婦がいることに気がつきますよね。

足を骨折して松葉杖をつき始めると、町中で怪我人がいることに気がつきます。

バイクを買おうとすると、町中のバイクが視界に入ってきます。

RASというシステムは毎秒々、あなたが重要だと強く意識したことを認識にあげるように働いてます。

では、次にスコトーマとゴールの関係を説明します。


スコトーマとゴールの関係

RASの働きによって、重要なこと以外はスコトーマ(盲点)となって認識に上がらないことを話しました。

ここでは、ゴール達成にどう影響するのかを解説します。

何度も書いてますが、コーチングでは現状の外にゴールを設定します。

逆に、現状の内側にゴールを設定してしまうとRASは今まで通りの日常が重要と判断してしまいます。

もちろん、「今の現状の中でこの先も生きていく」というのであれば何も言いません。それも個人の選択の自由です。

でも、少なくともこの記事を読んでるあなたは、現状の延長線上の未来ではく現状の外に大きなゴールを設定し、日々ゴールに近づいていく人生を望んでいるかと思います。

であれば、現状の外側にぶっ飛んだゴールを設定してエフィカシーを高めることでRASが開き、現状のスコトーマが外れゴール達成に必要なものが実際に見えてきます。

先ほどの妊婦さんの例えのように、RASとスコトーマの働きによってゴールにとって必要なものが目の前に現れます。

これは超能力やオカルトではありません。

目の前に現れると言っても、物理的に無の状態から何かが出現するのではりません。

妊婦さんの話で言えば、妊婦さんは常に町中にいます。急に増えたり減ったりしません。

身内の大切な人が妊娠したことで、それまで注目していなかった『妊婦』という言葉の重要度が高まり、それまでのスコトーマが外れて町中の妊婦に気が付いたんです。

ゴールも同じ。

ゴールを達成する方法は、実はすぐ目の前にあるかもしれません。

でも、スコトーマによって隠されてしまって見えてないだけなんです。

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